エコハウスと健康

高気密高断熱住宅の特徴の一つが温度ムラのない室内空間です。全館暖房や24時間換気システムにより、家の中はリビングでもお風呂場でもほぼ一定の室内温度を保つことができます。これは快適なだけでなく、病気や健康にも大いに役立つポイントです。

私たちの身体に負担を与える温度差

日々の生活の中で、温度差はつきものです。冷房居室と屋外、暖房居室と非暖房居室など、温度差を感じる場面は多々あります。しかし、この温度差は、身体に様々な負担を与えています。

(例)
夏・・・冷房病・寝冷え・夏風邪・不眠
冬・・・ヒートショック・脳卒中・風邪・湯冷め  など

以上のように、寒くても暑くても温度差は、私たちの快適な生活を妨げるだけではなく、健康を損なうおそれがあります。 特にヒートショックは大変深刻な問題となっています。

住まいの中に潜む死に至るほどの危険性

居室と非居室の温度差が10℃以上ある場合に起こるといわれているヒートショック。 急激な温度変化が体に及ぼす影響のことで、室温の変化によって血圧が急激に変化し、脈拍が早くなったりすることです。暖房をした部屋とトイレなど、寒い冬場に多く発生します。

死亡診断書には「ヒートショック」と書かれることはありませんので、統計がなく、ヒートショックによる死亡者数は正確にはわかりません。

しかし、家庭のお風呂で溺死する人は年間3,000~4,000人いるという厚生労働省の統計と併せて、1999年に東京消防庁と一緒に行った調査結果から推計したところ、その3~4倍の年間14,000人ぐらいが「ヒートショック」で亡くなっていると思われます。これは交通事故による死亡者数よりもはるかに大きい数字です。 その点断熱性能の高い住宅は、家の中の温度差は殆どなく、ヒートショックによるストレスから開放された家と言えます。

暖かい家は人に健康をもたらす

適切な温度環境は、快適性だけでなく、健康とも密接な関係にあります。 断熱性の高い住宅は外気の影響が少なく、湿度をコントロールして結露やカビの発生を抑えることができます。カビはアレルギーを悪化させる大きな要因です。断熱性の高い住宅で、目、鼻、皮膚などのアレルギー疾患が改善されるのは、カビによる影響が少ないためだと考えられます。ニュージーランドの調査では、高性能な住宅に住む人々は、風邪や気管支疾患によって学校や会社を休むケースが少なく、カビの臭いが減り、通院や入院も減ったという結果も出ています。医療費の削減にもつながることから、身体的な面だけでなく金銭的な面から見てもメリットが大きいのです。

健康で快適な住宅とは

室温が20℃でも寒く感じる?
『快適さ』を決めるのは空気の温度だけではない
体感温度≒(室温+表面温度)÷2
外気温0℃

人間は常に体から熱を発しています。その際、周囲の環境と熱のやりとりしながら生きているので、その温度差の負荷がやわらぐと体の負担が減り、快適に感じられるのです。 体感温度≒(室温+表面温度)÷2。つまり室温20℃の部屋にいても、壁の温度が10℃なら体感は15℃にしかなりません。仮に断熱性能の悪い家に、エアコンをガンガン入れて無理やり室温を上げたとします。室温30℃、壁の温度10℃でようやく体感20℃になりますが、部屋の中には不要で不快な気流が生まれ、中にいる人の肌やノドは乾燥します。これでは困る、と加湿器を入れたとします。すると今度は窓が結露して壁がぐじゃぐじゃになる。こういう家は「快適」とは到底言えません。

ところが断熱材が効いていれば、20℃の室温がそのまま、20℃前後の体感温度になるのです。人々は“ひんやり冷たい”フローリングに慣れているので、足が触れたときに、「あれ、床暖房を入れている?」と感じるような気持ちのいい床になります。 夏はといえば、冷房で室温を20℃に冷やしても、屋根や西日の当る外壁が40℃なら、体感温度は30℃。これも断熱で外の熱気を遮ることによって、天井の表面温度と室温を近づけることが可能です。つまり、壁や窓がきちんと断熱されていると、表面温度=室温に近づき、温度設定が緩和できます。その方がずっと、質の高い暖かさ・涼しさが得られるのです。